ヨネヤでは、一級眼鏡作製技能士が責任を持って、視力で悩む方々のお力になることを第一に考える、メガネづくりをしています。

ヨネヤ

 調節・輻輳・屈折異常の話

・眼は高性能のオートフォーカス
・「ピント合わせ」と「寄り眼」
・屈折異常とは

 斜位・眼位検査・プリズムの話
・眼鏡はただ見えるだけじゃダメ
・斜位(かくれ斜視)とは?
・プリズムによる斜位の補正
・こんな症状があったら

 メガネレンズの話
・メガネレンズの素材
・非球面レンズと球面レンズ
・凸レンズを薄くする
・調光レンズは1本二役
・クールな印象ライトミラーコート
・レンズの価格

メガネフレームの話
・メガネフレームの原産国表示
・超弾性メガネフレーム
・品質の良いメガネフレームとは
・フレーム選びに潜む落とし穴
・メガネフレームのバリエーション

 シニアメガネの話
・シニア眼鏡は「使い分け」で快適
・遠近累進との使い分けパターン
・シニア眼鏡作りは手間かけて

 メガネのメンテナンス
・メガネはとってもデリケート
・プラスチックレンズのご注意
・メガネのアフターケア
・ヨネヤのメガネ修理

 メガネ通販の問題点
・メガネ通販とは
・眼鏡を雑貨のように扱えるのか
・通販メガネのアフターケアは?
・「手軽さ」と引き換えに……

 その他メガネの話
・メガネとファッション
・伊達メガネでイメージアップを!
・日本のメガネ技術は野放し状態
・良いメガネをつくるための5箇条




メガネレンズの話

メガネレンズの素材

ガラスとプラスチック

メガネレンズといえばプラスチックが当たり前のようになっています。
そしてプラスチックレンズも屈折率の高い素材と設計の進歩により「薄く」仕上げる事が可能になり、表面の「傷つきやすさ」も改善されています。
では、かつて主流であったガラスレンズは、もはや選ぶ理由がないのかというと・・・そうでもないんです。

軽さや割れにくさこそプラスチックレンズに劣るものの、薄さ・傷つきにくさ・耐熱性・耐酸性・耐アルカリ性ではガラスレンズが優っています。なので
「ガラスレンズが時代遅れ」などということはありません。

長年ガラスレンズをお使いの強度近視のお客様に、薄型プラスチックレンズでお作りいただいたのですが、半年もしないうちに傷だらけ(拭き傷)になってしまい、ガラスレンズに交換したことがありました。ガラスレンズの頃の習慣は簡単には変えられなかったのです。

ご使用環境や、ご使用方法を考慮してレンズの素材を選ぶこともメガネを快適にお使いいただくためには必要だと思います。重くなりがちな強度近視の方のメガネも、ウスカル枠とガラスレンズ組み合わせれば、軽くて傷つきにくいメガネに仕上げることも出来ます。




屈折率

当店ではガラスで5種類、プラスチックで7種類の屈折率のレンズを扱っております。
一般的に、屈折率が高いほどレンズは薄くなります。
それほど強い度数でなければ、いわゆる薄型高屈折率レンズでなくても大丈夫です。
しかし3mmの縁厚でも気になさる方もいらっしゃれば、5mm超でも全然気にしない方もいらっしゃいます。
当店では2.5mmから9mmまでの厚み見本をご用意しております。

比重

プラスチックレンズの比重はおよそ1.3〜1.5、ガラスレンズはおよそ2.5〜3.99です。
軽さではプラスチックレンズが圧倒的に有利です。強度近視の方が大きめのフレームで超高屈折率ガラスレンズを使うと、それこそズッシリと重くなります。

アッベ数

屈折率の高い薄型素材になると、レンズを通過した光が、紫から赤まで、虹の7色のように分散され、各色でピントのズレが起こります。その結果、レンズ周辺が色づいて見えたり、見え方のシャープさの低下などを感じる場合があります。ただし個人差がありますので、すべての方が自覚するわけではありません。

色分散・アッベ数とは?

 

非球面レンズと球面レンズ

レンズの設計には「非球面設計」と「球面設計」があります。
非球面設計はレンズ周辺の収差を少なく出来るので球面設計よりもハイグレードという位置づけでしたが、今では非球面設計レンズのほうが球面レンズよりも種類が多いくらいです。非球面設計を強調して高級感やお買得感を演出するやり方も影を潜め、非球面レンズは普通のレンズになっています。さほど強い度数でなければ、見え具合にそこまで大きな違いはありません。ただし、球面設計から非球面設計(あるいはその逆)に掛け替えたときに違和感を覚えるケースはあるようです。
なお、非球面レンズは前面カーブをよりフラットに設計していることが多いため、同じ素材なら薄さでは有利です。また、プラスレンズ(凸レンズ)では前面の出っ張りを少なくできるというメリットもあります。

*ここでの非球面とはレンズ前面(外面)に非球面設計を採用した「外面非球面レンズ」のことです。
非球面レンズには、外面カーブ設定の自由度を高め、内面で収差を補正する内面非球面レンズやオーダーメイドの両面非球面設計レンズもあります。

プラスレンズ(凸レンズ)を薄くする

外径指定

プラスレンズ(凸レンズ)は外径が小さいほど中心の厚みが薄くなります。必要なだけの外径のレンズで枠入れした方が、より薄く軽く仕上がります(外径指定)。
また、度数によっては縦方向のサイズをより小さくすることで外径指定よりさらに薄く仕上げることもできます。

大きいレンズ(グレー)よりも必要なだけの
外径のレンズ(ブルー)の方が厚みが出にくい。




調光レンズ は1本2役

外出時に眩しいと感じることはありませんか?
屋外では、直射日光、路面からの照り返し、間接光など、さまざまな光に取り巻かれています。
無色、あるいはごく薄いカラーのレンズをご使用の場合、室内では快適でも屋外では眩しさを感じる場合におすすめのレンズがあります。

眩しさ抑えるには濃いめのカラーレンズ(サングラス)が有効です。室内ではクリアレンズ、屋外ではサングラスと使い分けるのもひとつの方法ですが、持ち歩くのは厄介だし、いちいちかけ替えるのも面倒ということもあります。そこでオススメなのが、紫外線量に応じてカラー濃度が変化する「調光レンズ」です。室内など紫外線量が少ない環境ではほとんど無色か薄いカラー、屋外など紫外線量が多くなるにつれ濃い色になります。

※「色が変わる」ので「変光(へんこう)レンズ」というのは間違いです。

 

室内ではほとんど無色

調光レンズ調光レンズ

 

日陰や薄曇りの屋外では少し着色

調光レンズ調光レンズ

 

晴天の屋外ではサングラス

調光レンズ調光レンズ

 

私が昭和50年に初めて作ったのが、ニコンの「フォトグレー」というガラスの調光レンズでした。その頃の調光レンズといえば、反射防止コートはついていない、色の戻りが遅い、使っているうちに変な色が残ってしまう、という欠点の多いレンズでした。
しかし個人的には調光レンズが大好きで、現在は遠近累進のプラスチック調光レンズを、休日の外出や屋外での作業などに使用していますが、とても重宝しています。
最近のものは色の戻りが早くなりました。さらに、カラーもブラウンやグレー以外にバリエーションが追加されました。また、紫外線だけでなく可視光線にも反応する調光レンズも発売されています。

調光レンズは紫外線量に応じて濃度が変化します。紫外線量が多く、気温が低いほど濃くなります。
たとえば夏の海岸よりも冬のスキー場の方が濃くなる条件が揃っています。
自動車のフロントガラスは、ほとんどがUVカット仕様なっていますので、運転時には可視光線にも反応するタイプがおすすめです。

オン・オフ兼用でお使いになる場合、色の戻りがが早くなったとはいえ、瞬時に退色するわけではありませんから、お仕事に影響しないか、安全に問題ないかどうかをお考えの上でお使いください。

クールな印象のライトミラーコート

ライトミラー

ギラギラの反射ではないミラーコートです。ノンコート(反射防止コートをかけない)のレンズよりも多く反射します。
一般的に、メガネレンズは反射が少ないほど裸眼に近いので良いとされていますが、あえて反射をさせることで、クールな雰囲気を醸し出します。
写真のレンズは無色にライトミラーをコーティングしました。反射する分だけ可視光線透過率は下がりますので、少しグレーがかって見えます。

 

ライトミラー

正面から見ると反射は少なく、斜めになるほど多く反射しますが、目が透けて見えますので通常のミラーコートのような「威圧感」は少ないと思います。
なかなかいい雰囲気に仕上がって、お客様にも気に入っていただけました。