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・眼鏡はただ見えるだけじゃダメ
・斜位(かくれ斜視)とは?
・プリズムによる斜位の補正
・こんな症状があったら
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・良いメガネをつくるための5箇条
メガネをかければ良く見えるのは当たり前ですが、「楽に、快適に、良く見える」メガネを調製するのが眼鏡技術者の仕事です。
両眼の視線の向き(眼球の向き)を眼位といいます。
通常は、両眼の視線は同じ目標に向かいますが、視線がズレて異なる方向を向いてしまう場合があります。
そのままではものが二つに見えてしまいますので、無意識に視線の向きを修正してひとつに見えるようにしています(修正しきれない場合もあります)。
このような潜在的な眼位のズレを「斜位」または「潜伏性斜視」とも言います。
最近では「かくれ斜視」とも言われますが、このほうがわかりやすいかも知れませんね。
無調節で最もリラックスして遠方を見ているときの眼位が、真っ直ぐでズレのない状態を「正位」と言います。眼位が外向きなのは「外斜位」、内向きなのは「内斜位」と言います。
また、一方が上向き、もう一方が下向きなのを「上斜位」または「下斜位」と言い、右眼が上斜位なら左眼は下斜位になります(一般的に上斜位眼を基準に、右眼上斜位、左眼上斜位と言います)。
水平、垂直方向ともに眼位がズレている斜位もあります。
眼位ズレがあっても、片眼をかくすとズレを修正しようとする労力から解放され、かくした方の眼は一番楽な方を向いてしまいます(画像にオンマウス)。
視線は正面を向いている。この状態では眼位ズレがあるかどうかは判らない。 |
眼位ズレは無いので、片眼をかくしても視線は真っ直ぐのまま。 |
眼位は外向きなので、片眼をかくすと外側(耳側)へズレる。 |
眼位は内向きなので、片眼をかくすと内側(鼻側)へズレる。 |
右眼をかくすと上方、左眼をかくすと下方へズレる。(左眼上斜位だと逆になる) |
斜位があっても無意識に修正されて自覚症状がない場合もありますが、斜位量が大きかったり、修正する力が弱い場合には、疲れや肩こり、遠近感がわかりにくい、ものが二つに見える(複視)などの不具合が生じることがあります。
そんな場合、斜位を適切に補正することで軽快する例も少なくありません。
当店でもそんな事例を販売記に掲載してございます。斜位は主にプリズムで補正しますが、矯正度数を工夫することで軽減させることもあります。
眼位検査は快適なメガネを調製する上で重要な検査のひとつです。
プリズムは横から見ると三角形をしています。 |
正位眼はこのように両眼の視線が平行で、無理せず正面の目標を単一視することが出来ます。斜位眼は眼位ズレの状態が一番楽なのですからそのままで正位眼のように見えるようにすれば良いわけです。 |
視線が外向きのまま、正面の目標を単一視出来るようにするために |
視線が内向きのまま、正面の目標を単一視出来るようにするために |
上が上斜位眼、下が下斜位眼 |
「左右とも裸眼視力1.2で眼には自信がある」「検査しても、このメガネで合っていると言われる」
確かに見え方はいいんだけど・・・
・何となくすっきりしない
・自動車の運転が苦手
・パソコン作業が疲れる
などの症状があったら「かくれ斜視」かもしれません。きちんと検査のできるお店に相談してみてはいかがでしょう。
*視線のズレが顕在化している「斜視」はメガネでの補正は困難です。